HOME > 最新活動報告

最新活動報告

海外眼科手術ボランティア体験記(ベトナム)2022

 2022年12月22日から25日にかけて、特定非営利活動法人 Fight for Vison(FFV)の活動の一環で、藤島浩・深川和己・川北哲也・矢津啓之・明田直彦の5名が、ベトナム北部最大の港湾都市であるQuang Ninh省ハロン市のHai Ha医療センターにて国際医療協力に従事し、特定非営利活動法人アジア失明予防の会の服部匡志医師及び現地ベトナム人眼科医とともに、2日間で約120例の白内障手術(超音波水晶体乳化吸引術、水晶体囊外摘出術)を執刀した。

 ベトナム到着初日はハノイに宿泊し、翌朝現地において服部医師・ベトナム人眼科医・スタッフらと合流した。支援物資として日本から運搬した眼鏡、眼内レンズ、点眼薬、その他手術時に使用する薬剤や器材に加え、服部医師のチームの医療資材を車に搬入し、高速道路で4時間かけてHai Ha医療センターへ向かった。ベトナムでは白内障手術を受けられないために年間約50万人が失明しており、特に少数民族では必要な医療を受けられない患者さんが多く存在し、このようなチャリティー活動には大きな需要と社会的な意義があるという。新型コロナの世界的流行を理由に、2019年の国際医療支援以降はしばらく活動を自粛していたため、本活動は実に3年ぶりの開催となり、現地の政府関係者や病院関係者等からは盛大に歓迎していただいた。

 手術患者さんの年齢は50歳代から90歳代までで、男女比は同程度であり、核硬化の強い白内障・角膜混濁・散瞳不良・チン小帯脆弱などを有する症例が少なくなかった。日本とは異なり、顕微鏡や手術機器の性能が十分ではなかったが、今回は日本からの医療支援物資が豊富であり、例年より落ち着いて執刀することができ、現地の医師とともに我々FFV医師も大きなトラブルなく手術を終えることができた。相変わらず患者さんとは英語で意思疎通を図ることができず、日本では起こりえない幾多の困難を経験し、多くを学び、今後へ繋がるであろう反省点を再確認した。ベトナム人医師の手術レベルは年々向上しており、特に無縫合水晶体囊外摘出を悪条件の中で的確に行っていることに感銘を受けた。

 現地では、毎日美味しいベトナム料理をご馳走になり、宿泊場所も提供していただき、温かくおもてなしいただいた。歓迎してくださった現地の医師・スタッフ・政府関係者の方々、技術面のみならずボランティア活動の心得など様々なことを指導してくださった服部先生、物資支援をしてくださった協賛企業、そしてFFV関係者に心より感謝の意を表したい。

ページTOPへ